茶色い (1)
当時、自分は院生として大学の附置研究所に通っていた。自分の所属する研究室の隣の研究室にY先輩がいた。Y先輩は背の高いすらっとしたイケメンで、物腰の柔らかい人物であった。隣の研究室の休憩室兼ロッカー室は出入りが自由で、自分も一息着くときなどよく利用しており、Y先輩と一緒になることがあった。 梅雨入りで長雨の続くある日のことである。Y先輩は当日の仕事が終わって帰宅するところであった。ロッカーで用事を済ました後、すぐ部屋を出ず、流しで何かごそごそしている。よく見ると清涼飲料水か烏龍茶が入っていたであろう2Lほどのボトルに水道水を詰めている。ボトルが一杯になると蓋を閉め、彼は少しばつが悪そうな感じで出…